C様邸 木工事 構造金物
2009年 09月 14日
構造金物とは、木造軸組みの柱や梁、筋違い、土台、基礎などを、それぞれ緊
結固定するための金物です。
この構造金物にはたくさんの種類があり、それぞれ使用箇所によって使う金物
が決められています。先日屋根下地の項でご紹介した「ひねり金物」もこれら
の一種となります。
私がこの業界に入ったころ(○○年前?)には、金物と言えば「かすがい」と
「羽子板ボルト」くらいしか使わなかったのですが、あの阪神淡路大震災以降、
金物の種類と数が一気に増えました。
正直言うとこれら金物の増加は、大工さんや我々現場管理をする人間にとって
はけっこうな負担増になりました。しかし、だからといってお施主様の安全、
安心のためには決して蔑ろに出来ない、一番重要な構造強度にかかわる部分で
すから、我々も特に真剣に取り組んでいます。
大工さんが金物を取り付けた時点で、まず私が一ヶ所一ヶ所チェックをしま
す。検査機関などの検査の日が事前に決まっておりますので、大工さんもがん
ばって取付け作業をしてくれるのですが、やはり取付け忘れや、金物が足りな
い等、漏れというのが出てきます。
それをチェックし、足りない金物を補充したり、抜けているところを大工さんに
取り付けてもらったりして、図面どおりの金物がすべて正確に取り付けられて
いる状態にするのが我々監督の仕事です。
そうやって完了した箇所をひとつひとつ図面に書き入れていくと、最後にはチ
ェックで真っ赤になった図面が出来上がります(笑)
以下、主な金物をご紹介します。
「かすがい」
“子はかすがい”のかすがいです(笑)
コの字型の大きな釘のような金物で、昔からよく使われているものです。
最近では比較的強度を要しない部位に使われる、影の薄い存在になりつつある
ような気がします・・・・
ちなみに、このかすがいの商品名は「つらいち君」といいます(^^;)
げんのう(金づち)で打ち込むと、金物が木材にめり込んでツライチになるよ
う、断面形状が三角形になっています。
「ホールダウン金物」
主に柱と基礎を緊結します。
横方向の力がかかった際に、柱が土台より抜けてしまうのを防止する、非常に
重要な金物です。使用箇所によって主に10kN用~25kN用を使い分けます。
画像で分かるように、筋違いがつく部分では、筋違いとホールダウン金物が干
渉しないように、ホールダウン用のアンカーボルトを土台芯(中心)より少し
オフセットしております。
参考 http://genbatyu.exblog.jp/11798615/#11798615_1
また、基礎と柱だけでなく、1階と2階の柱同士や、柱と床梁などを繋いだりする
という使われ方もします。
「筋違い金物」
耐力壁(たいりょくかべ)という建物の水平強度を担う壁を支えるのが、柱と
柱の間に斜めに設置される筋違い(すじかい)という部材です。
この筋違いの上下端を柱に緊結固定するのが筋違い金物です。
以前は箱型のものが多かったのですが、最近はこの形状のものを使う建築屋さ
んが多いみたいです。箱型よりもホールダウンに干渉しにくいなど、取付け自由度
が高いためだと思われます。
「かど金物CP-T」
この名称は建設省告示に記載されたもので、実物はT字型をした鉄製の板材を
指すのですが、実際にはこの金物と同等以上の強度を有すると認定を受けた、
色々な形状の金物が各メーカーから出回っており、それらを使うことがほとんど
です。今回はカネシンというメーカーの「コーナープレートⅡ」を使用しました。
T字型金物ですと、柱面からその厚みが出てきますので、その上から構造用合
板などを張ると、金物の部分だけが浮き上がったりして、施工に支障が出るた
め、最近ではこういった壁の内部になる部分に取り付ける金物が主流になって
います。
使用部位は主に柱と梁、柱と土台などになります。
現在、かすがいの代わりにもっとも数多く使われる金物となっているようです。
他にもたくさんあるのですが、今回は割愛させていただきます(^^)
by kgfujino | 2009-09-14 19:25 | 宝塚市C様邸新築工事